小谷野敦と荻上チキ

小谷野敦が荻上チキの実名のヒントをブログに書いた件でずいぶん盛り上がっているようですね 小谷野敦「荻上チキの正体」 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20071218 小谷野敦さんに実名を晒された件/および匿名と顕名の擁護 http://d.hatena.ne.jp/seijo…

フーコー『真理とディスクール』

ギリシャ語の「パレーシア」について扱う 「真理を語る」という意味 ギシリャで「告白」が、どんな様態で存在したのかを論じたもの キリスト教の神はおらず、テキトーなところのあるギリシャ的な神、アポロンなどがいる ギリシャでは、また、「内面」が問題…

デリダ『歓待について』

ソポクレス『コロノスのオイディプス』を論じる 「オイディプス王」に代表されるエディプスコンプレックスへの批判的考察が混じるよう 国民国家における移民受け入れ問題も課題 共同体へ来た「異邦人」は、まずは法の言語に対して「異邦人」である デリダは…

ハーヴェイ『新自由主義―その歴史的展開と現在』

正しく「世界系」である現代世界政治経済史 間違っても「セカイ系」ではない書物 超具体的 Webには、社学系のプロの人がアマゾンレヴューや、論文をあげているよう でも、Webの一般人の間ではあまり話題になっていない 「市場主義」は、倒錯的な思想に裏付け…

ミシェル・フーコー、渡辺 守章『哲学の舞台』

本書は ・フーコーと渡辺の対談 ・フーコーによる日本での講演 ・渡辺の解説 からなる フーコーが、日本の読者に向けて分かりやすく自己の思想を語っている 「西洋的には前提」といったようなことにも反省が加えられていて、良い本であるしかし、フーコーや…

鏡音リン

よく、劣化コピー的な名前をためらいなくつけるな「初音ミク」よりネーミングセンス落ちているだろ 「初」という文字 「未来から来る」 という時系列のこと 「音」と「時」の二つの要素 「初音」という漢字と「ミク」というカタカナ 対照的なそれらがマッチ…

◎「大航海No.64」

2007年秋発刊の雑誌 この号は「近代日本の学者101」という特集 この手の学術教養商業誌としては、とても面白く読めました と褒めようと思ったのですが、家でネット検索をかけてみて、この雑誌を見つけられないことに唖然とした アマゾンに登録すらされていな…

エドワード・ケアリー『望楼館追想』

望楼館追想posted with amazlet on 07.04.20エドワード ケアリー Edward Carey 古屋 美登里 文藝春秋 (2004/11)売り上げランキング: 335179Amazon.co.jp で詳細を見るエドワード・ケアリー『望楼館追想』(二〇〇二、文藝春秋)を読んだ。 面白かったですね…

第4回『必読書150』を読む会を行います。

時枝誠記『国語学原論』(岩波書店・絶版)が課題図書です。2006年、8月6日(日)、法政大学市ヶ谷校舎、大学院棟703号にて、15:10開始、18:20終了の予定です。飛びこみ参加も歓迎いたします。どなたもお気軽にお越しください。

第2回『必読書150』を読む会、埴谷雄高『死霊』を読む会報告

参加者は五名。文学的な能力の高いメンバーが集まる。某君の『死霊』五章、六章に関するレジメが面白い。松平はどうも社会科学的、哲学的なネタで演繹的に文章を構成してしまう癖があるけれども、某君の対象を扱うにあたっての表現力と想像力の働かせ方は、…

第3回『必読書150』を読む会、西田幾多郎『善の研究』読書会

第3回『必読書150』を読む会、西田幾多郎『善の研究』読書会を行います。2006年、7月2日(日)、法政大学市ヶ谷校舎、大学院棟703号にて、15:10開始、18:20終了の予定です。飛びこみ参加も歓迎いたします。どなたもお気軽にお越しく…

ネットツールと実生活

インターネットツールの位置づけ方について考える。4〜9がインターネットツールである。1〜3はそれらに対照させるために置いてみた。 ######################## *この表は縦に見る。 ① 一人でいること・孤独 # ② 恋人同士が会…

解説しよう

電脳RESの読者数は多くはないけれども、ネットに大変詳しい方と、普段ネットをあまりお使いにならないかたの、双方にごらんになっていただいている。とくに後者の方を対象にしつつ、松平が手を出しているネットツールのそれぞれについて解説しましょう。間違…

mixi始めました。

http://mixi.jp/show_friend.pl?id=4275826 mixyは一口で言えば、「会員制で紹介制」の「ブログと掲示板」です。匿名性が低く、「ブログと掲示板」へとアクセスした人の身元が分かりやすく、プライバシーが守りやすいため、mixiは有用な活用ができそうです…

E・ブロンテ『嵐が丘』

E・ブロンテ『嵐が丘』読了。「悪党、ヒースクリフさんに身も心もダメにされてしまいたい!」そんな怪しい心が芽生えざるをえない。作者はアイリッシュやケルトの血を引くイギリス人。反キリスト教的で悪魔的なところがありつつも、ハイセンスなオクシデンタ…

論理の美

本書では、先行研究の成果ではいまだ不明瞭な箇所を含んでいた万葉歌を取り上げ、必要にして十分な引用により裏づけを取りつつ、問題となる万葉の歌の一言一句を精緻に分析し、蓋然性の高い新たな解釈を打ち出している。各章で論じる対象となる中心的な歌は…

清水博子『カギ』(二〇〇五、集英社) 初出 すばる二〇〇三年十月号

インターネットに掲載された日記を題材とした小説。これといった個性のない普通の人のようだけれども、裏に精神的な「病い」のようなものを抱える「妹」と、辛らつなところのある「姉」の、それぞれの日記が交互に紹介されて、テキストが織りなされている。…

第2回『必読書150』を読む会について

埴谷雄高『死霊』読書会(2)を行います。2006年、5月21日(日)、法政大学大学院棟703号室に15:00時集合で、15:10開始、18:20終了の予定です。飛びこみ参加も歓迎いたします。どなたもお気軽にお越しください。

劣等感と美

公房の一九六四年の作品。顔面にケロイド瘢痕を受けた男が、プラスチック製の仮面を作り、「他人の顔」を獲得して妻を誘惑するが、二人の信頼関係は破綻し、悲劇に至る。ところで、三島の『金閣寺』(一九五六)の主人公は、吃音という障害を負い、他者への…

自己紹介

自己紹介をするとき、ぼくは、「日本の近現代文学が専門です」と述べることになる。しかし、哲学科や英文学科の方たちとしゃべると常々気づかされることであるけれども、大学の人文系の方やインテリの方はたいてい、日本の近現代文学を多くよんでいらっしゃ…

蔵田君主催の読書会に参加する

どうもこのところ、五月病気味でやる気がなくなりボケーっとしていた。欝なので、ちょっと表へ出ようかと思っていた。それで、蔵田君主催の読書会に参加させていただいた。題材は岩井克人の『貨幣論』。集まっているメンバーは皆さんインテリで、社会的な身…

『必読書150』を読む会/第1回 埴谷雄高『死霊』を読む会 報告

2006年、4月22日(土)15時より、法政大学にて『死霊』の読書会を行う予定であった。しかし、情宣不足により当日当時刻に人が一人も集まらなかった。途方にくれていたところ、偶然、四谷の学校に通う何某君に会う。何某君は用が控えていて、『死霊…

『必読書150』で取り上げられた著作リスト

人文社会科学 プラトン『饗宴』岩波文庫 アリストテレス『詩学』岩波文庫 アウグスティヌス『告白』岩波文庫 レオナルド・ダ・ヴィンチ『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』岩波文庫 マキァベッリ『君主論』中公文庫BIBLO, 岩波文庫 モア『ユートピア』岩波文…

『必読書150』を読む会

柄谷行人、浅田彰、岡崎乾二郎、奥泉光、島田雅彦、糸圭秀美、渡辺直己らは大田出版から、『必読書150』というタイトルの書を刊行しています。この『必読書150』では人文社会科学の書を50冊、海外文学の書を50冊、日本文学の書を50冊、それから…